空に向かって四角いブロックを積み重ねたような外観で、半世紀にわたり人々を魅了してきた東京・銀座の「中銀(なかぎん)カプセルタワービル」。老朽化などを理由に解体が決まり、12日朝から工事が始まった。建築家の故黒川紀章さん設計の名建築に、国内外から惜しむ声はやまず、第二の人生は引く手あまたのようだ。
「ハッピーバースデー カプセル!」
今月5日夜、1972年4月5日竣工(しゅんこう)のカプセルタワービルの誕生50年を祝うため、元住民6人が近くのマンションの一室に集まった。窓の外には直径130センチの丸い窓が特徴的な居室が見える。ビルのイラストが描かれたケーキにろうそくをたて、シャンパンで乾杯した。
誕生会に参加したDJの声(こえ)さん(42)は、2019年から部屋を借りていた。「解体はさみしい。でもカプセルでの暮らしは楽しかった」と話す。
約10平方メートルの部屋に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル